東方三博士の贈り物、黄金・乳香・没薬について。

東方博士の贈り物とは

イエス・キリストの誕生を知った東方三博士は、将来王になる方への高価な贈り物として黄金、乳香、没薬を捧げます。これらはどのような贈り物だったのでしょうか。

東方博士の贈り物 Ⅰ

黄金

金は現代もそうであるように古代から貴重な品物でした。(創世記13:2、伝道の書2:8を参照)。

シバの女王が贈り物として大量の金を携えてソロモン王を訪問した第一列王記10章に見られるように、その希少さと価値のために、金は特に王族と貴族が所有していたようです。金の贈り物を持って来ることで、博士達は彼らが実際にイエスをやがて王になる方であると考えたことを示しました。

また当時、最も聖なる場所とされるのは神殿の内側の聖域であり、至聖所の壁とその中の祭壇は金で完全に覆われていました。そのように、金は神様のご臨在される場所にふさわしい材料としても用いられました。下の図は神殿を再現したものです。

東方博士の贈り物 Ⅱ

乳香(フランキンセンス)

乳香はフランキン・センスという精油で、乳香の木を傷つけた時に出る樹脂が白く、ミルクに似ていることからこのように呼ばれるようになりました。

体の不調を回復させ、身体を健康に強く保つ力があり、不安や緊張、強迫観念を取り除き、美しさと健康を保つ効果もあるそうです。特定の在来種の木の樹皮を削り取り、乾燥させた後、樹脂のビーズを収穫し、焼くと、強くて美しい香りがする抽出物が出来上がります。

古代の近東では、フランキンセンスは高価で一般的な家庭用では使われず、神殿での礼拝に用いられていた聖なる香でした。このように、イエスにフランキン・センスを贈ることは、博士たちがキリストを王であり神である方として理解していたと言えます。

東方博士の贈り物 Ⅲ

没薬:ミルラ

没薬はミルラと呼ばれ、近東原産の木の樹液に由来する香料で4000年以上も前から使用されてきた歴史があります。

祈りや聖なる儀式の場でミルラはフランキンセンスと共にお香として焚かれるなど、神に捧げられる神聖な供物として扱われて来ました。古代世界では、香水、塗る油としてより広く使用され、薬用強壮剤としても使われてきました。緊張や不安を取り除き、気持ちを穏やかにする心への作用、口内炎や咳、気管支炎、胃腸の働きを整える作用もあるようです。

防腐作用が強く、古代エジプトではミイラを作る時に使用され、イエス・キリストも十字架の後ミルラとアロエを含ませた布で巻かれ葬られたとも言われています。博士たちは、イエス・キリストが犠牲的な死により、人々を救いに導く王であることを予測して没薬を贈ったとも言われています。