テンペラ絵具と油絵具
絵具について
テンペラミスタ(テンペラと油彩の混合技法)はテンペラ絵具で、下層書きをした後、透明色の油絵具を重ね、その後更に強調したい部分を更に描き起こし、を繰り返し重層的に描いていく事で深みのある表現を可能にします。
絵具を重ねていくうえで、透明度を好みの状態にコントロールすることで見せ方を変えられるのが魅力です。
まず透明色と不透明色の絵具の表記についてお話いたします。
透明色は写真のように透明な四角に
半透明色は四角に車線のある形で
不透明色は塗りつぶした四角で表記されています。
透明色
透明色は絵具の下の層を生かして、彩度と色彩を加えることが出来ます。
また、何層も重ねていくことで、透明で奥行きのある表現を可能にします。
不透明色
不透明色は下の層をやや生かしつつも、基本的には覆い隠す形で描くことが出来ます。
また、形を描き起こしたり、強い物質感と形を描いていくときに用いることが出来ます。
一度にシッカリと発色し形を作ることが出来ます。
庭のダイニングルーム
ピエール・ボナール
1934–1935年
Pierre Bonnard/dining room on the garden.
また、テンペラ絵の具は、油絵具の不透明色よりもさらに不透明な絵具になりますので、透明色と不透明色、テンペラ絵の具を組み合わせていくことで
リアリティーのある画面を作っていくことが出来ます。
テンペラ絵の具と一緒に使うのにお勧めの絵具
Schmincke(シュミンケ)というドイツのメーカーがあるのですが
油絵具のシリーズははムッシーニ(MUSSINI)といいます。
https://gazaizukan.jp/gaz_brandinit.php?brid=8001
顔料の濃度が多く含まれているため、発色が良く混色しても美しい色彩が保たれやすい大変上質な絵具です。また粒子が細かく、透明色の種類が充実していることから、細密で重層的な描き方に適していると言えます。
Lefran(ルフラン)の絵具は、フランスを代表する絵具ブランドで特に赤系やオレンジ系の発色が素晴らしいので好んで使っています。
絵具は最初に全部揃えなくても、必要なものを少しずつ追加し、また自分の好きな色があれば追加していく形でいいと思います。
テンペラミスタ(テンペラと油彩の混合技法)は薄塗りを重ねて描いていく方法なので、絵具は一度揃えると、かなり長い間使うことが出来ます。
絵具は技法によって見え方が変わりますので、色々と試して皆さんと相性の良い絵具を見つけてみましょう。
テンペラ絵具の作り方については、こちらに詳しく書いておりますので、ご参考になさってくださいね。