『キリストの変容 』ラファエロ・ジョバンニベッリーニ・ティツィアーノ

ガブリエル
「キリストの変容」はラファエロをはじめ、ジョバンニベッリーニ、ティツィアーノ等により描かれた美しい名画が遺されています。
どのような場面が描かれているのでしょうか。聖書の内容と共に作品を解説いたします。

太陽のように輝き。。。

マタイの福音書17章1節~2節

それから六日目に、イエスはペテロとヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。すると、弟子たちの目の前でその御姿が変わった。顔は太陽のように輝き、衣は光のように白くなった。

ラファエロの作品


キリストの変容
ラファエロ
ヴァチカン美術館
1518-1520年
Transfigurazione_Raffaello_

ガブリエル
ラファエロの最期の作品で、1520年に37歳で天に召される直前までこの作品に取り組みました。ラファエロ芸術の集大成で何世紀もの間、芸術家や芸術の専門家により、この作品は史上最高の絵画であると言われてきました。
画面の上半分に、太陽のように輝く様子のキリストを中心に右側にモーセ、左側にエリヤが描かれています。3人は宙に浮く形で表現され、この出来事の神々しさが伝わってきます。
その下には、左から、ヤコブ、ペテロ、ヨハネが眩しさで目を覆い身を伏せています。

画面下半分には「キリストの変容」の次に聖書に書かれている記事が描かれています。左側に山に登らなかっかった9人の弟子たち、右側に悪霊に憑かれた少年、後ろの緑色の衣装はその父親、奥に跪く母親が居ます。左手前はマタイと言われていて、悪霊を彼から追い出すために書物を調べています。マタイの隣の、赤い衣装でキリストを指している弟子はアンデレ、黄色い衣装の若い弟子はピリポだと言われています。
↓どんな出来事が起こったのかについては、下の記事にまとめました。

白く輝く衣

マルコの福音書9章3章

その衣は非常に白く輝き、この世の職人には、とてもなし得ないほどの白さであった

ジョバンニ・ベッリーニの作品


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キリストの変容
ジョバンニ・ベッリーニ
カポディモンテ美術館(ナポリ)
1487年頃
The-Transfiguration-1480–Giovanni-Bellini.

ガブリエル
ジョバンニ・ベッリーニのキリストの変容は、静かな美しい景色の中での出来事として描かれています。穏やかな表情で両手をあげるキリストは神聖な雰囲気で、モーセ(右)とエリヤ(左)と語っています。背景には、イタリアの自然が広がり、修道院のような建物、修道士と思われる人物、牧者などが描かれています。神聖な出来事を劇的な表現ではなく、日常の中に溶け込むように自然な形で起こった事として描かれているのが魅力的です。

モーセ・エリヤと対話

ルカの福音書9章30節~31節

そして、見よ、二人の人がイエスと語り合っていた。それはモーセとエリヤで、
栄光のうちに現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について、話していたのであった。

ティツィアーノの作品


キリストの変容
ティツィアーノ
サンサルバドル(ヴェネツィア)
1560年頃
Titian_Transfiguration_c1560_SanSalvador.

ガブリエル
下から見上げる構図で描かれたキリストは目を天に向け、神々しく輝きを放ち、父なる神を仰ぎ見ています。左には十戒の石の板を持ったモーセ、右側にエリヤがキリストの光に照らされています。この出来事に驚いた弟子たちは、激しい動きのあるポーズのけ反り倒れています。
左からペテロ、ヤコブ、ヨハネです。
グレース
ヤコブさんの手に驚きが現れていて、手前に飛び出るようですね。

カール・ブロッフォの作品


キリストの変容
カール・ブロッフォ
1872年
Transfiguration_bloch

ガブリエル
光の効果が素晴らしく描かれています。天からの光を受けて輝くキリストを光源としてすぐ近くで照らされているモーセ・エリヤは光の中に溶け込むように描かれています。
手前の3弟子は右からペテロ、ヨハネ、ヤコブです。逆光になった手の表現を中心に、光を向こう側から受けた場合の様子が丹念に描かれ、キリストを中心とした点の領域での出来事と、地上に住む現実の世界とが見事に描き分けられています。

ペテロの提案

ルカの福音書9章32節~33節

ペテロと仲間たちは眠くてたまらなかったが、はっきり目が覚めると、イエスの栄光と、イエスと一緒に立っている二人の人が見えた。この二人がイエスと別れようとしたとき、

マルコの福音書9章5節~6節

ペテロがイエスに言った。

弟子たち
先生。私たちがここにいることはすばらしいことです。幕屋を三つ造りましょう。あなたのために一つ、モーセのために一つ、エリヤのために一つ。
ペテロは、何を言ったらよいのか分からなかったのである。彼らは恐怖に打たれていた。

アレクサンドル・イワノフの作品


キリストの変容
アレクサンドル・イワノフ
1824年
Alexandr_Ivanov_

グレース
光り輝くイエス様に、提案しているペテロさんが”何を言ったらよいのか分からなかったのである。”という聖書の言葉の感じにピッタリですね!!!

雲の中からの声

マタイの福音書17章5節~6節

彼がまだ話している間に、見よ、光り輝く雲が彼らをおおった。すると見よ、雲の中から

父なる神
これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ。彼の言うことを聞け
という声がした。
弟子たちはこれを聞いて、ひれ伏した。そして非常に恐れた。

蘇るまでは話してはいけない

マタイの福音書17章8節~9節

彼らが目を上げると、イエス一人のほかには、だれも見えなかった。
彼らが山を下るとき、イエスは彼らに命じられた。

イエス
あなたがたが見たことを、だれにも話してはいけません。人の子が死人の中からよみがえるまでは。

ルカの福音書9章36節

弟子たちは沈黙を守り、当時は自分たちの見たことをいっさい、だれにも話さなかった。

グレース
ガブリエルさん、どうして話してはいけなかったのかしら?
ガブリエル
この出来事の本当の意味を、まだ弟子たちが理解できなかったのでイエスは彼らにそのように仰ったのです。十字架の死と、復活の後には理解できるようになり、人々に伝え、このように福音書に記しました。

キリストの変容 動画

画像出典:Wikimedia Commons
聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。