『東方三博士の礼拝』美しい名画17点をご紹介いたします。

東方三博士の礼拝

『東方三博士の礼拝』の絵画は、ユダヤ人の王となる方が生まれたことを知った博士たちが、星に導かれて遠方からイエスを訪ねる場面が描かれている作品です。博士たちは『黄金』『乳香』『没薬』を贈り物として捧げ、幼子イエスを礼拝しました。
イエス誕生の絵画の中でも特に好まれ繰り返し注文されたため、沢山の名画が遺されています。時代によって、少しずつ表現が変わっていく様子を楽しみつつ一緒に観ていきましょう。

聖書に記されている内容の記事は、こちらにまとめましたのでご参照ください

東方三博士の礼拝の作品『フラ・アンジェリコ、フィリッポ・リッピ』

賢者の礼拝
フラ・アンジェリコ、
フィリッポ・リッピ
Fra Angelico，Filippo Lippi
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
1440－1460年頃
Fra_Angelico_Fra_Filippo_Lippi_The_Adoration_of_the_Magi.

この美しい作品はフラ・アンジェリコによって描き始められましたが、未完成のままでした。彼の死後、約 20 年の後に
フィリッポリッピが、完成させたと言われています。

他の作品のように、幼子イエスキリストの誕生を現す星は描かれていないのですが、画面中央左側の赤い衣装の男性が天を見上げ驚いている様子で星がそこにあることが表現されています。
またクジャクが大きく描かれていますが、当時は肉が腐敗しないと考えられていて、復活と永遠の命の約束を示しています。

東方三博士の礼拝の絵画『ボッティチェリ』

東方三博士の礼拝
ボッティチェリ
Botticelli
ウフィツィ美術館
1476年
廃墟となった壁の崩れた小屋が舞台となり、中央に聖家族が描かれています。
東方三博士の礼拝で多く使われる様式として、青年、中年、老年と人の3つの年代を現す 3 人の博士が流れるように配置されています。博士はそれぞれ実在していた人物をモデルに描かれており、マリアの前にひざまずく年長者がコジモ・デ・メディチ、赤いマントを纏うのがその息子ピエロ、そして孫のジュリアーノとロレンツォと続きます。右側の上段中央のこちら側を向く、水色の衣装の男性はこの作品を依頼したガスバーレであると言われています。そして、この作品を描いたボッティチェッリは、右端の手前に黄色い衣装の金髪の男性として自身を描いています。

東方三博士の礼拝の絵画『レオナルド・ダビンチ』

東方三博士の礼拝
レオナルド・ダビンチ
Leonardo da Vinci
ウフィツィ美術館（フィレンツェ）
1481年

東方三博士の礼拝『ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ』

東方三博士の礼拝
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ
Gentile da Fabriano
ウフィツィ美術館　1423年
Gentile da Fabriano, Public Domain,

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノは国際ゴシック様式の代表的な画家です。
この様式の特徴は、金箔と豊かな色彩の融合と装飾的な衣服、植物の表現です。
手前は、キリストと博士の出会い。中央の上部には沢山の人々を引き連れた博士たちの行列がエルサレムに到着した様子が描かれ、時間の経過が織り込まれています。

博士たちの衣装は豪華で、細かく金で装飾されたそれぞれ異なった模様が入った衣服を身に着け、大変豊かであることが表されています。
聖家族は、シンプルで威厳のある衣服で描かれ博士たちと対照的です。

東方三博士の礼拝『ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス』

東方三博士の礼拝
ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス
アムステルダム国立美術館
1480－1485頃

東方三博士の礼拝『デューラー』

東方三博士の礼拝
デューラーAlbrecht Dürer
ウフィツィ美術館
1504年

東方三博士の礼拝『ヤン・ゴサート』

東方三博士の礼拝
ヤン・ゴサート
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
1510－1515年

聖家族を中心に、優雅な建築物と共に30名ほどの人物が描かれています。
この出来事を祝福する天使たちは、人物より少し小さく描かれ手に蒔き物を持ちます。豪華な衣装と、緻密な描写、美しい色彩とコントラストが素晴らしい作品です。

Jan Gossaert | The Adoration of the Kings

東方三博士の礼拝『ジェラルド・デイビッド』

東方三博士の礼拝
ジェラルド・デイビッド
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
1515年頃

Gerard David – Adoration_of_the_Kings

東方三博士の礼拝『ヒエロニムス・ボッシュ』

東方三博士の礼拝
ヒエロニムス・ボッシュ
プラド美術館(スペイン)
1495年頃
Hieronymus_Bosch_-_Triptych_of_the_Adoration_of_the_Magi
https://en.wikipedia.org/wiki/Adoration_of_the_Magi_(Bosch,_Madrid)

東方三博士の礼拝『ニコラ・プッサン』

博士の礼拝
ニコラ・プッサン Nicolas Poussin
アルテ・マイスター絵画館(ドイツ)
1633年

聖家族が、左端に描かれ、そこに向かって動きのある形で人々が集まってくる構図に躍動感を感じます。身をかがめてひれ伏す博士たち、大きなリアクションと表情で驚きを現す羊飼いたち。
左の幼子に視線が集まるように構成されています。

東方三博士の礼拝『ファン・バウティスタ・メイノ』

東方三博士の礼拝
ファン・バウティスタ・メイノ
プラド美術館
1612-1614
Maino-Adoración de los Reyes Magos

キリストを中心に左下から博士の衣、頭部キリストの腕から頭部への緩やかな反Ｓ字型の曲線と、
左中央上部からのＳ字型の曲線が交差し、自然とキリストに視線が集まるように、画面が構成されています。一つ一つのディティールは驚くほど丁寧にリアルに描かれ、並外れた描写力で全体が仕上げられています。

東方三博士の礼拝『バルトロメエステバン・ムリーリョ』

東方三博士の礼拝
バルトロメエステバン・ムリーリョ
トレド美術館(アメリカ)
1655－1660年
Bartolom Esteban_Murillo_-_Adoration_of_the_Magi

東方三博士の礼拝『ディエゴ・ベラスケス』

東方三博士の礼拝
ディエゴ・ベラスケス
プラド美術館(スペイン)
1619年
Velázquez- Adoration of the Magi_

東方三博士の礼拝『ピーター・ポール・ルーベンス』

東方三博士の礼拝
ピーター・ポール・ルーベンス
アントワープ王立美術館
1624年

動きのある構図の中に、画面を埋め尽くすように人々が描かれています。
右側に配置された、幼子イエスとマリアが明るく表現され、博士たちの方に身を乗り出しているイエスは、何か伝えようとしているようです。

東方三博士の礼拝『ドミンゴス・セケイラ』

東方三博士の礼拝
ドミンゴス・セケイラ
国立古代美術館(ポルトガル)
1828年
By Domingos Sequeira – Museu Nacional de Arte Antiga,
中央に描かれたイエス・キリストは、星の輝きと共に光を発し画面の中の光源の役割を果たしています。そのことで、世の光として地上にお生まれになった様子があらわされています。

東方三博士の礼拝『ジェームス・ティソ』

東方三博士の礼拝
ジェームス・ティソ James Tissot
ブルックリン美術館 1886－1894年

洞窟の中の馬小屋に生まれた幼子のイエス・キリストが光源となって辺りを照らしています。
空間は狭く、博士たちは敬虔な様子でひれ伏し、表情からもその感動が伝わります。
中央には真っ白な衣装を纏ったマリア、その隣のヨセフがこの出来事の目撃者として描かれている様子が印象的です。

東方三博士の礼拝の動画⓵

東方三博士の礼拝の動画⓶

出典：Wikimedia Commons
※聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。

東方三博士の礼拝の美しい絵画 Adoration of the magi