アンデレ、人と人とを繋ぐ。ー聖書と絵画ー

ペテロの弟アンデレ

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ガブリエル
アンデレはペテロの弟です。兄であるペテロが聖書に沢山の記述があり、何かと目立つ存在であるのに対して記述が少ないのですが、激しい性格の兄と対照的に、謙遜でどんな人とも親しくなることのできる人当たりの良い人物だったのではないかと言われています。
また、その穏やかな性格のゆえに要所要所で大切な働きをしている場面が聖書に描かれています。

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使徒アンデレ
カルロ・クリヴェッリ
ロンドンナショナル・ギャラリー
1476年

使徒アンデレ 兄ペテロをイエスに紹介する

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ガブリエル
洗礼者ヨハネからキリストを紹介されたアンデレは、兄ペテロをキリストのもとに導きました。このように良いと思ったものを、人に勧めることが得意だったようです。

ヨハネの福音書 1章 39〜42節

イエスは彼らに言われた。

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イエス
来なさい。そうすれば分かります。
そこで、彼らはついて行って、イエスが泊まっておられるところを見た。そしてその日、イエスのもとにとどまった。時はおよそ第十の時であった。
ヨハネから聞いてイエスについて行った二人のうちの一人は、シモン・ペテロの兄弟アンデレであった。
彼はまず自分の兄弟シモンを見つけて、
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アンデレ
私たちはメシア(訳すと、キリスト)に会った
と言った。
彼はシモンをイエスのもとに連れて来た。イエスはシモンを見つめて言われた。
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イエス
あなたはヨハネの子シモンです。あなたはケファ(言い換えれば、ペテロ)と呼ばれます。

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ペテロとアンデレの召命
カラバッジョ
1602-1604年
Caravaggio__The_Calling_of_Saints_Peter_and_Andrew_

使徒アンデレ 少年を連れてくる

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5つのパンと2つの魚の奇跡
ルーカス・クラナッハ
ストックホルム・ナショナルミュージアム

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ガブリエル
イエス様が男性だけで5000人は居たと言われている人々に食事を提供した奇跡の時にも活躍しました。
5つのパンと2匹の魚を持っていた少年をイエスのもとに連れて来たのです。
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グレース
アンデレさん、子供の心を開くのが上手だったのかもしれませんね。
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ガブリエル
イエスは、この食料を神に感謝をささげ増やされたのです。人の目には5000人以上の人を決して養うことが出来ないように見えましたが、集まっている人みんなが満腹できる量に増えていきました。

ヨハネ6章8節-9節

弟子の一人、シモン・ペテロの兄弟アンデレがイエスに言った。

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アンデレ
ここに、大麦のパン五つと、魚二匹を持っている少年がいます。

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使徒アンデレ ギリシャ人の仲立ちをする

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ガブリエル
ギリシャ人がイエスに会いに来た時に、仲立ちしたのもアンデレでした。
当時、ユダヤ人はギリシャ人とは付き合わない時代でした。しかし、アンデレは人を分け隔てしないでイエス様のもとへ導きました。

ヨハネの福音書 12章 20〜22節

さて、祭りで礼拝のために上って来た人々の中に、ギリシア人が何人かいた。
この人たちは、ガリラヤのベツサイダ出身のピリポのところに来て、「お願いします。イエスにお目にかかりたいのです」と頼んだ。
ピリポは行ってアンデレに話し、アンデレとピリポは行って、イエスに話した。

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キアラ
ピリポさんは、アンデレさんに話したらイエス様に上手に紹介してくださることを想定して、予想通りイエス様に取り次いでくれたということですよね。

使徒アンデレの殉教(X十字架)

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X十字架に架けられる使徒アンドレ
フアン・デ・ラス・ロエラス
セビリア美術館
1610年-1615年頃

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ガブリエル
アンデレは伝承によると、エチオピアに布教しニカイヤで殉教したと伝えられています。その際X型の十字架に架けられたという言い伝えから、X十字架と一緒に描かれるようになりました。

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使徒アンデレの殉教
ムリーリョ
プラド美術館(スペイン)
1675年-1682年の間

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使徒アンデレ
ジュゼッペ・ディ・リベラ
ジロラミーニ(ナポリ)
17世紀

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ガブリエル
アンデレは目立つ存在の兄とは全く違った長所を神様から頂き、それを発揮して、彼らしく生きました。彼を大切な者として、この地上に送り出してくださった神様が、アンデレでなければ果たせない役割を託してくださった事、また忠実に生きる時、神様が喜んでくださることを良く知っていたのでしょう。

画像出典:Wikimedia Commons
キリスト円形画像、アンデレ円形画像は「パンと魚を増やす奇跡」アンブロシウス・フランケン より

※聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。