蘇生するヤイロの娘「タリタクム」と語り掛けるイエス・キリストの絵画と聖書個所| 服部州恵『光の色彩を求めて』

今日は、会堂管理者ヤイロの娘をイエスが蘇生させた出来事について紹介します。

ヤイロの娘の蘇生
エドウィン・ロングスデン・ロング
1889年

ある日イエスは湖のほとりで、大勢の群衆に囲まれていました。
そこに一人の男性が近寄ってきます。

蘇生するヤイロの娘会堂管理者ヤイロの懇願

会堂司の一人でヤイロという人が来て、イエスを見るとその足もとにひれ伏して、こう懇願した。

私の小さい娘が死にかけています。娘が救われて生きられるように、どうかおいでになって、娘の上に手を置いてやってください。

そこで、イエスはヤイロと一緒に行かれた。すると大勢の群衆がイエスについて来て、イエスに押し迫った。

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会堂管理者は、礼拝を監督し、建物の管理運営を任されていました。会堂管理者たちの間ではイエスは異端視されていましたが、そのような状況にも関わらず、ヤイロはイエス様の足元にひれ伏し懇願しました。娘に自分がしてあげられることは全部やってみましたが、もう万作尽きてこの方に頼る他は道がなかったのでしょう。

イエスがまだ話しておられるとき、会堂司の家から人が来て言った。
「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすことはありません。」
これを聞いて、イエスは答えられた。

恐れないで、ただ信じなさい。そうすれば、娘は救われます。

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家に着く前に、娘さんが亡くなった知らせを受けても、イエス様は全然動じないで、信じ続けるようにヤイロさんを励ましていますね。

ヤイロの娘の蘇生
パオロ・ヴェロネーゼ
ルーブル美術館
1546年
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/30/Paolo_Veronese_cat01c.jpg

イエスは家に着いたが、ペテロ、ヨハネ、ヤコブ、そしてその子の父と母のほかは、だれも一緒に入ることをお許しにならなかった。
人々はみな、少女のために泣き悲しんでいた。しかし、イエスは言われた。

泣かなくてよい。死んだのではなく、眠っているのです。

人々は、少女が死んだことを知っていたので、イエスをあざ笑った。

しかし、イエスは皆を外に出し、子どもの父と母と、ご自分の供の者たちだけを連れて、その子のいるところに入って行かれた。
そして、子どもの手を取って言われた。

タリタ、クム。（少女よ、あなたに言う。起きなさい）

ヤイロの娘の蘇生
ガブリエル・フォン・マックス
モントリオール美術館(カナダ)
1878年

すると、少女はすぐに起き上がり、歩き始めた。彼女は十二歳であった。それを見るや、人々は口もきけないほどに驚いた。
イエスは、このことをだれにも知らせないようにと厳しくお命じになり、また、少女に食べ物を与えるように言われた。

ヤイロの娘の蘇生
ガブリエル・フォン・マックス
ウォルターズ美術館(アメリカ)
1881年

ヤイロさんもご家族も、娘さんが生き返って食事ができる程元気になって、どんなに喜んだことでしょうね。

この絶望的な状況から、少女を生かしてくださったイエスは、今も私たちをあらゆる絶望と不安から救い出してくださるお方です。

画像出典：Wikimedia Commons
※聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。