キリストの昇天の絵画を聖書と共に The Ascension of Jesus

キリストの昇天とは?

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ガブリエル
イエスは、復活された後「数多くの確かな証拠をもって、ご自分が生きていることを使徒たちに示された。四十日にわたって彼らに現れ、神の国のことを語られた。使徒の働き1章3節」と聖書に記されています。その後、天に昇られたことを昇天といいます。

使徒の働き1章 4〜12節

使徒たちと一緒にいるとき、イエスは彼らにこう命じられた。

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イエス
エルサレムを離れないで、わたしから聞いた父の約束を待ちなさい。
ヨハネは水でバプテスマを授けましたが、あなたがたは間もなく、聖霊によるバプテスマを授けられるからです。
そこで使徒たちは、一緒に集まったとき、イエスに尋ねた。
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使徒
主よ。イスラエルのために国を再興してくださるのは、この時なのですか。
イエスは彼らに言われた。
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イエス
いつとか、どんな時とかいうことは、あなたがたの知るところではありません。それは、父がご自分の権威をもって定めておられることです。
しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。
こう言ってから、イエスは使徒たちが見ている間に上げられた。そして雲がイエスを包み、彼らの目には見えなくなった。
イエスが上って行かれるとき、使徒たちは天を見つめていた。すると見よ、白い衣を着た二人の人が、彼らのそばに立っていた。
そしてこう言った。
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天使
ガリラヤの人たち、どうして天を見上げて立っているのですか。あなたがたを離れて天に上げられたこのイエスは、天に上って行くのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになります。
そこで、使徒たちはオリーブという山からエルサレムに帰った。この山はエルサレムに近く、安息日に歩くことが許される道のりのところにあった。

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『イエス・キリストの昇天』ジョットGiotto
スクロヴェーニ礼拝堂(パドバ)
1304-1305年
キリストを中心にほぼ対称に描かれています。キリストの手が画面の上で切りていることから、左右に描かれている天使達と共に、更に高いところに住まわれる、天の父のところに昇っていくのでしょう。

キリストはどこから昇天したのか

ルカの福音書 24章50

それからイエスは、弟子たちをベタニアの近くまで連れて行き、手を上げて祝福された。
そして、祝福しながら彼らから離れて行き、天に上げられた。

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ガブリエル
イエスは弟子たちと共におります。オリーブ山の東側山麓にある、ベタニヤという村から昇天しました。地図を見てみましょう。
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『イエス・キリストの昇天』
マンテーニャAndrea Mantegna
ウフィツィ美術館 1461年頃
キリストが勝利の旗を掲げ、赤くて小さな天使たちに伴われて雲の上に立ち昇天していきます。キリストの真下である中央にマリア、そして驚きながら見守る弟子たちの表情がとても魅力的に描かれています。

キリストは昇天後どこに?

マルコの福音書 16章 19節

主イエスは彼らに語った後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。

エペソ人への手紙 1章 20〜21節

この大能の力を神はキリストのうちに働かせて、キリストを死者の中からよみがえらせ、天上でご自分の右の座に着かせて、すべての支配、権威、権力、主権の上に、また、今の世だけでなく、次に来る世においても、となえられるすべての名の上に置かれました。

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ガブリエル
上の2つの聖書箇所から、イエスは昇天後神の右の座に着かれた事がわかりますね。

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『イエス・キリストの昇天』
ペルジーノPietro Perugino
リヨン美術館(フランス) 1495-1498年
空に天の軍勢が溢れるように描かれています。音楽を奏でるために楽器を手にする天使達。音楽に合わせて舞うのでしょうか、長いリボンをはためかせている天使達。美しい天井の調べと舞と共に天に引き上げられていくキリストは、両手の指で天をさしています。

雲とともに再び来られる

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ガブリエル
使徒の働き1章 4〜12節には、”ガリラヤの人たち、どうして天を見上げて立っているのですか。あなたがたを離れて天に上げられたこのイエスは、天に上って行くのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになります。”と記されています。つまり昇天された時と同様に、雲とともにもう一度地上に来られることが約束されています。他の聖書箇所も見てみましょう。

ダニエル書 7章 13〜14節

私がまた、夜の幻を見ていると、見よ、人の子のような方が天の雲とともに来られた。その方は『年を経た方』のもとに進み、その前に導かれた。この方に、主権と栄誉と国が与えられ、諸民族、諸国民、諸言語の者たちはみな、この方に仕えることになった。その主権は永遠の主権で、過ぎ去ることがなく、その国は滅びることがない。

マタイの福音書 24章 30節

そのとき、人の子のしるしが天に現れます。そのとき、地のすべての部族は胸をたたいて悲しみ、人の子が天の雲のうちに、偉大な力と栄光とともに来るのを見るのです。

ヨハネの黙示録 1章7節

見よ、その方は雲とともに来られる。すべての目が彼を見る。彼を突き刺した者たちさえも。地のすべての部族は彼のゆえに胸をたたいて悲しむ。しかり、アーメン。

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『イエス・キリストの昇天』
ベンヴェヌートティシBenvenuto Tisi
ガレリア・ナツィオナーレ・ダルテ・アンティカ
1510〜1520年
動きのある弟子たちの様子から、師が地上から離れて天に昇られる姿を目の当たりにした弟子たちの動揺が感じ取られます。イエスは全体が白っぽく描かれ、地上の人物の色彩と異なった様子で描かれています。

キリストの昇天が描かれた絵画

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ガブリエル
「イエスの昇天」は「十字架」や「復活」と並んでキリスト教美術で頻繁に取り上げられてきた大切なテーマです。キリストが昇っていく場所である天上の様子。そして、地上からイエスを見送る弟子たちの様子と画面の中央を境に二つの世界が描かれていることが多いです。

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『イエス・キリストの昇天』
ドッソ・ドッシDosso Dossi
16世紀
柔らかく描かれた雲は黄金に輝く天の光を写しだしています。色彩の変化にリアリティーがあり美しく、画面に対してほぼ平行に並ぶ弟子たちと、雲の合間にちらちらと見える天使たち、真ん中に凛々しく立つキリストとの表現の対比により、弟子たちの見ている先である天に視線が吸い寄せられるように描かれています。

キリストの昇天 レンブラント

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『キリストの昇天』
レンブラントRembrandt van Rijn
アルテピナコテーク(ドイツ)1636年
地上を極端に暗く描くことで、天の明るさと、キリスト自身の明るさが強調されています。キリストを乗せている雲を必死で運ぶ天使たちの姿が、可愛らしい。画面の一番上には聖霊を象徴する鳩が描かれています。
https://uploads8.wikiart.org/images/rembrandt/the-ascension-of-christ

キリストの昇天 ベンジャミンウエスト

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『イエス・キリストの昇天』
ベンジャミン・ウェストBenjamin West
デンバー美術館 1801年
右上から左下へと螺旋状に目が流れる構図で描かれています。驚きを身体全体で表現する弟子たちと、二人で踊っているかのように描かれた天使。十字架の釘後のある両手を挙げ、自ら光を放つキリストと、光を受け止めているような小さな天使達をじっくり見ていると、天での様子を垣間見たような気持にりますね。

キリストの昇天 ジョン・シングルトン・コプリー

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『イエス・キリストの昇天』
ジョン・シングルトン・コプリーJohn Singleton Copley
ボストン美術館 1775年
雲の間から、開かれた天が見えそこに満ちている光が降り注ぐ。両手を広げたキリストの上着が風にたなびき、フワッと舞い上がっています。動揺する弟子たちに状況を説明する2人の天使たちが描かれています。

https://upload.wikimedia.org/Jesus_ascending_to_heaven.

キリストの昇天まとめ

  1. イエスは復活の後40日間、弟子たちの間に現れ神の国について教えられました。
  2. オリーブ山の山麓ベタニヤから昇天されました。
  3. 昇天されたときと同様に、雲に乗って再臨されることが約束されています。

キリストの昇天の動画

※聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。