羊飼いの礼拝とは
羊飼いの礼拝 主の使いが現れる
ルカの福音書2章8節-9節
さて、その地方で、羊飼いたちが野宿をしながら、羊の群れの夜番をしていた。
すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。
『羊飼いと天使』カール・ブロッフォの作品
『羊飼いと天使』
カール・ブロッフォ Carl Bloch
1879年
羊飼いの礼拝 救い主がお生まれに
ルカの福音書2章10節-12節
御使いは彼らに言った。
ゴバート・フリンクの作品
『羊飼いへの告知』
ゴバート・フリンク Govert Flinck
ルーブル美術館 1639年
羊飼いの礼拝 天の賛美
ルカの福音書2章13節-14節
すると突然、その御使いと一緒におびただしい数の天の軍勢が現れて、神を賛美した
アブラハム・ホンディウスの作品
『羊飼いへの告知』
アブラハム・ホンディウス Abraham Hondius
アムステルダム国立美術館 1663年
羊飼いの礼拝 ベツレヘムへ
ルカの福音書2章15節
アブラハム・ブロマートの作品
『羊飼いへの告知』
アブラハム・ブロマート
Manner of Abraham Bloemaert
フランス・ハルス美術館(オランダ)
1600年頃
羊飼いの礼拝 幼子イエスを探し当てる
ルカの福音書2章16節-17節
そして急いで行って、マリアとヨセフと、飼葉桶に寝ているみどりごを捜し当てた。
それを目にして羊飼いたちは、この幼子について自分たちに告げられたことを知らせた。
マティス・ストムの作品
『羊飼いの礼拝』
マティス・ストム Matthias Stomer
パラッツォマダマ(トリノ) 1650年
羊飼いの礼拝 神をあがめ、賛美しながら帰る。
ルカの福音書2章18節-19節
聞いた人たちはみな、羊飼いたちが話したことに驚いた。
しかしマリアは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。
羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
羊飼いの礼拝の作品
『羊飼いの礼拝』ルーベンスの作品
『羊飼いの礼拝』
ルーベンス Rubens
ピナコテカ・シビカ(イタリア・フェルモ)
1607年
ルーベンスによる羊飼いの礼拝は、フェルモの市民美術館に展示されています。元々はフェルモのサンフィリッポ教会の右翼廊のコスタンティーニ礼拝堂にありました。画面の中で唯一の光源である、赤ちゃんのイエス・キリストが、母であるマリアを白く照らし出し、ヨセフと知らせを聞いて駆け付けた羊飼いたちもまた照らし出されています。天使たちの体格が逞しく描かれ、ルーベンスらしさが見受けられますが、画面全体としては同じころにローマで活躍中であった、カラバッジョの影響を強く受けた作品と言われています。
ヒューゴ・ファン・デル・フースの作品
Hugo_van_der_Goes_
『ポルティナリ祭壇画(中央部分)』
ヒューゴ・ファン・デル・フース
Hugo van der Goes
ウフィツィ美術館 1477-1478年
ファン・デル・フースの現存する中では最も有名な作品で、フィレンツェのサンタ・マリア・ヌオーヴァ病院のサンエジディオ教会に、メディチ銀行のマネージャーであったトマソ・ポルティナリによって委託された祭壇画の一部です。マリア、ヨセフ、天使たちが厳かな印象に描かれているのに対し、羊飼いたちは純朴な印象に描かれています。羊飼いは、当時のユダヤ社会では、文化的に低い職業とみられていたようです。人々からも見下されていたため、自分たちは社会の底辺にいると感じていたようです。しかし、そのような彼らに一番最初に救い主の降誕は伝えられ、彼らは素直に受け入れました。また、馬小屋という環境だったからこそ羊飼いたちも安心して向かうことが出来たのかもしれません。
ドメニコ・ギルランダイオの作品
『羊飼いの礼拝』
ドメニコ・ギルランダイオ
Domenico Ghirlandajo
サンタトリニータ(フィレンツェ)
1485年
美しく丁寧に描かれたマリアは、レースの被り物をかぶり幼子キリストを拝します。また、キリストを指し示す羊飼いはギルランダイオ自身だと言われています。画面左には、降誕の知らせを受けた博士たちの一団が、長い列をなして向かってくるが見え、ヨセフは目を上げて彼らの様子を確認しています。山々が美しく描かれ、遠くまでずっと抜けていく景色が美しく確かな技量が感じられます。
ル・ナン兄弟 の作品
『羊飼いの礼拝』
ル・ナン兄弟 Le Nain Adoration
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
1640年頃
マリアとヨセフがごく普通の人物として表現され、降誕の出来事~人として生まれてくださった神~をより具体的に感じ取ることが出来る作品です。中央の子供のように描かれた天使が二人居る様子は、時代により表現を変え引き継がれているようです。
『羊飼いの礼拝』カラバッジョの作品
Caravaggio_-_Adorazione_dei_pastori.jpg
『羊飼いの礼拝』
カラバッジョ
メッシーナ博物館(イタリア)
1609年
カラバッジョの「羊飼いの礼拝」は、馬小屋でお生まれになったキリストの情景を現実的に表現しています。マリアは、若いごく普通の女性として描かれ、長旅の後の出産の疲れが伺われ、右上から流れるように、羊飼い、ヨセフ、マリアの視線が中央に描かれた、幼子キリストに集まります。
降誕を厳かな様子で描いた作家たちとは異なった、しかし人間の日々の営みのただなかにお生まれになったキリストが確かに表現された、素晴らしい作品です。
羊飼いの礼拝 動画
The Birth of Jesus (2015)
受胎告知から降誕までの出来事が26分にまとめられています。
Adoration of the shepherds
Who Were the Shepherds?
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※画像の出典:Wikimedia Commons
※聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。