受胎告知の絵画 結婚と婚約



受胎告知の絵画 結婚式の準備期間

花婿は父の家の敷地内に二人で住むための新居を建て花嫁は、花婿から贈られた生地でウエディングドレスを作り式に備えます。結婚のためのすべての準備が整うと、花婿は花嫁を迎えに彼女の家へと向かいます。

でも確かに1年かかっちゃいますよね。


当時は正式に結婚する前に、夫になる人以外の子どもをお腹に宿らせることは重い罪でしたので、公になれば、石打の刑となり殺されます。ヨセフはマリアをかばい、婚約を解消して、ひそかに去らせようとしたのです。しかし、その前に天使ガブリエルがマリアのお腹にいる子は、聖霊によって身籠った子で名前をイエスとつけるようにと告げます。
マタイの福音書 1章 18〜25節
イエス・キリストの誕生は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人がまだ一緒にならないうちに、聖霊によって身ごもっていることが分かった。
夫のヨセフは正しい人で、マリアをさらし者にしたくなかったので、ひそかに離縁しようと思った。彼がこのことを思い巡らしていたところ、見よ、主の使いが夢に現れて言った。

「見よ、処女が身ごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」それは、訳すと「神が私たちとともにおられる」という意味である。
ヨセフは眠りから覚めると主の使いが命じたとおりにし、自分の妻を迎え入れたが、子を産むまでは彼女を知ることはなかった。そして、その子の名をイエスとつけた。
受胎告知の絵画 トロス・ロスリン
『ヨセフの夢』トロス・ロスリン T’oros Roslin
ウォルターズ美術(アメリカ)1262年
出典: Wikimedia Commons
受胎告知の絵画 サン・ジョヴァンニ洗礼堂
『ヨセフの夢』作者不明
サン・ジョヴァンニ洗礼堂(フィレンツェ) 13世紀
出典: Wikimedia Commons
庭に横たわりながら悩むヨセフの姿、そして神様からの知らせを届けるガブリエルが金箔で埋め尽くされた空間から現れます。
受胎告知の絵画 アントン・ラファエル・メンス
『ヨセフの夢』アントン・ラファエル・メンス
Anton Raphael Mengs
美術史博物館(ウィーン) 1773-1774年頃
出典: Wikimedia Commons
筋肉質でガッチリとした体形のヨセフは日焼けし、大工さんらしい風貌ですが深い悩みの中にある表情を浮かべています。ヨセフとは対照的に、色白で華奢に描かれているガブリエルは穏やかな表情で、ヨセフへの伝言を伝えています。
受胎告知の絵画 ガエターノ・ガンドルフィ
『ヨセフの夢』ガエターノ・ガンドルフィ
Gaetano Gandolfi
個人蔵 1790年頃
出典: Wikimedia Commons
受胎告知の絵画 フィリップ・ド・シャンパーニュ
Copyright © The National Gallery, London
『ヨセフの夢』フィリップ・ド・シャンパーニュ
Philippe de CHAMPAIGNE
ロンドン・ナショナル・ギャラリー 1642-1643年

まだ婚約中なので、すぐそばにはいないと思われるマリアの姿も描かれています。ガブリエルの指先は、左手は天、右手はマリアを指し聖霊によって身籠った子であることを伝えています。
受胎告知の絵画 アントニオ・チセリ
『ヨセフの夢』アントニオ・チセリ Antonio Ciseri
マドンナ・デッレ・グラツィエ礼拝堂 19世紀
出典: Wikimedia Commons
