十字架への道-イエス・キリストの受難ー

十字架への道

受難週の金曜日は、イエス・キリストが十字架に架かられた日です。
今日は、その経緯について聖書箇所と絵画で見て行きましょう。

Marco Frisina『O croce fedele 』と共にどうぞ。

十字架への道 アンナスの法廷

マタイの福音書 26章57-58節

人々はイエスを捕らえると、大祭司カヤパのところに連れて行った。そこには律法学者たち、長老たちが集まっていた。
ペテロは、遠くからイエスの後について、大祭司の家の中庭まで行った。そして中に入り、成り行きを見ようと下役たちと一緒に座った。


『アンナスの法廷』ジェームス・ティソJames Tissot
ブルックリン美術館(ニューヨーク)1886-1894年

マタイの福音書 26章59-61節

さて、祭司長たちと最高法院全体は、イエスを死刑にするためにイエスに不利な偽証を得ようとした。多くの偽証人が出て来たが、証拠は得られなかった。しかし、最後に二人の者が進み出て、
こう言った。「この人は、『わたしは神の神殿を壊して、それを三日で建て直すことができる』と言いました。」
By José de Madrazo y Agudo – [2], Public Domain,
『アンナスの家のイエス』ホセ・デ・マドラソJoséde Madrazo
プラド美術館(マドリード)1803年

マタイの福音書 26章62〜64節

そこで大祭司は立ち上がり、イエスに言った。「何も答えないのか。この人たちがおまえに不利な証言をしているのは、どういうことか。」
しかし、イエスは黙っておられた。そこで大祭司はイエスに言った。「私は生ける神によっておまえに命じる。おまえは神の子キリストなのか、答えよ。」
イエスは彼に言われた。「あなたが言ったとおりです。しかし、わたしはあなたがたに言います。あなたがたは今から後に、人の子が力ある方の右の座に着き、そして天の雲とともに来るのを見ることになります。」


『朝の判断』ジェームス・ティソJames Tissot
ブルックリン美術館(ニューヨーク)1886-1894年

マタイの福音書 26章65-66節

すると、大祭司は自分の衣を引き裂いて言った。「この男は神を冒瀆した。なぜこれ以上、証人が必要か。なんと、あなたがたは今、神を冒瀆することばを聞いたのだ。どう思うか。」すると彼らは「彼は死に値する」と答えた。それから彼らはイエスの顔に唾をかけ、拳で殴った。また、ある者たちはイエスを平手で打って、「当ててみろ、キリスト。おまえを打ったのはだれだ」と言った。


Publishing GmbH. ISBN: 3936122202., Public Domain,
『キリストを嘲る』グリューネヴァルトMathis GothartGrünewald
アルテピナコテーク(ドイツ)1503-1505年

十字架への道 弟子ペテロの否認

ルカの福音書 22章 54〜58節

人々が中庭の真ん中に火をたいて、座り込んでいたので、ペテロも中に交じって腰を下ろした。
すると、ある召使いの女が、明かりの近くに座っているペテロを目にし、じっと見つめて言った。「この人も、イエスと一緒にいました。」
しかし、ペテロはそれを否定して、「いや、私はその人を知らない」と言った。
しばらくして、ほかの男が彼を見て言った。「あなたも彼らの仲間だ。」しかし、ペテロは「いや、違う」と言った。

 Public Domain,
『ペテロの否認』レンブラントRembrandt
アムステルダム国立美術館 1660年

ルカの福音書 22章 59〜62節

それから一時間ほどたつと、また別の男が強く主張した。「確かにこの人も彼と一緒だった。ガリラヤ人だから。」
しかしペテロは、「あなたの言っていることは分からない」と言った。するとすぐ、彼がまだ話しているうちに、鶏が鳴いた。
主は振り向いてペテロを見つめられた。ペテロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言います」と言われた主のことばを思い出した。
そして、外に出て行って、激しく泣いた。

 Public Domain, Link
『ペテロの否認』カール・ブロッホCarl Bloch 19世紀


By Anton Robert Leinweber – http://www.allposters.com/-sp/Peter-s-Denial-Posters_i1520518_.htm, Public Domain,
『ペテロの否認』ロバート・レインウェバーRobert Leinweber
1920年以前

十字架への道 ピラトの前へ

ルカの福音書 23章 1〜7節

集まっていた彼ら全員は立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。
そしてイエスを訴え始めて、こう言った。「この者はわが民を惑わし、カエサルに税金を納めることを禁じ、自分は王キリストだと言っていることが分かりました。」
そこでピラトはイエスに尋ねた。「あなたはユダヤ人の王なのか。」イエスは答えられた。「あなたがそう言っています。」
ピラトは祭司長たちや群衆に、「この人には、訴える理由が何も見つからない」と言った。
しかし彼らは、「この者は、ガリラヤから始めてここまで、ユダヤ全土で教えながら民衆を扇動しているのです」と言い張った。
それを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、
ヘロデの支配下にあると分かると、イエスをヘロデのところに送った。ヘロデもそのころ、エルサレムにいたのである。


By Follower of Hieronymus Bosch , Public Domain,
『ピラトの前のキリスト』ヒエロニムスボスBosch
サンパウロ美術館(ブラジル)16世紀


By Duccio di Buoninsegna – Web Gallery of Art:   Image  Info about artwork, Public Domain,
『ピラトの尋問』ドゥッチョDucco
シエナ大聖堂付属美術館1311年頃1308〜1311年

十字架への道 ヘロデのところへ

ルカの福音書 23章 8〜12節

ヘロデはイエスを見ると、非常に喜んだ。イエスのことを聞いていて、ずっと前から会いたいと思い、またイエスが行うしるしを何か見たいと望んでいたからである。
それで、いろいろと質問したが、イエスは何もお答えにならなかった。
祭司長たちと律法学者たちはその場にいて、イエスを激しく訴えていた。
ヘロデもまた、自分の兵士たちと一緒にイエスを侮辱したり、からかったりしてから、はでな衣を着せてピラトに送り返した。
この日、ヘロデとピラトは親しくなった。それまでは互いに敵対していたのである。


By Nikolaus Knüpfer – Web Gallery of Art:   Image  Info about artwork, Public Domain,
『ヘロデアンティパスの前のキリスト』ニコラウス・クヌプファーNicolaesKnüpfer
ブタペスト美術館 17世紀前半

十字架への道 再びピラトのもとへそしてむち打ち刑に

ルカの福音書 23章 13〜16節

ピラトは、祭司長たちと議員たち、そして民衆を呼び集め、
こう言った。「おまえたちはこの人を、民衆を惑わす者として私のところに連れて来た。私がおまえたちの前で取り調べたところ、おまえたちが訴えているような罪は何も見つからなかった。
ヘロデも同様だった。私たちにこの人を送り返して来たのだから。見なさい。この人は死に値することを何もしていない。
だから私は、むちで懲らしめたうえで釈放する。」


By Peter Paul Rubens – http://www.aiwaz.net/uploads/gallery/flagellation-of-christ-3728.jpg, CC BY-SA 3.0, Link
『キリストの鞭打ち』ルーベンスRubens
セントポール教会(アントワープ)

By William-Adolphe Bouguereau – Unknown source, Public Domain,
『キリストの鞭打ち』ブーグローBouguereau
ラロシェル美術館 1880年


By James Tissot – Online Collection of Brooklyn Museum; Public Domain,
『顔の鞭打ち』ジェームス・ティソJames Tissot
ブルックリン美術館(ニューヨーク)1886-1894年

十字架への道 茨の冠と緋色の衣

マタイの福音書 27章 28〜31節

そしてイエスが着ていた物を脱がせて、緋色のマントを着せた。
それから彼らは茨で冠を編んでイエスの頭に置き、右手に葦の棒を持たせた。そしてイエスの前にひざまずき、「ユダヤ人の王様、万歳」と言って、からかった。
またイエスに唾をかけ、葦の棒を取り上げて頭をたたいた。


By Annibale Carracci – Web Gallery of Art:   Image  Info about artwork, Public Domain,
『いばらの冠を被ったキリスト』カラッチCarracci
ステートアートコレクションドレスデン1585〜1587年

十字架への道 罪を見いだせないピラト

ヨハネの福音書 19章 1〜7節

ピラトは、再び外に出て来て彼らに言った。「さあ、あの人をおまえたちのところに連れて来る。そうすれば、私にはあの人に何の罪も見出せないことが、おまえたちに分かるだろう。」
イエスは、茨の冠と紫色の衣を着けて、出て来られた。ピラトは彼らに言った。「見よ、この人だ。」
祭司長たちと下役たちはイエスを見ると、「十字架につけろ。十字架につけろ」と叫んだ。ピラトは彼らに言った。「おまえたちがこの人を引き取り、十字架につけよ。私にはこの人に罪を見出せない。」
ユダヤ人たちは彼に答えた。「私たちには律法があります。その律法によれば、この人は死に当たります。自分を神の子としたのですから。」


By Antonio Ciseri – http://www.most-famous-paintings.org/Ecce-Homo-large.html, Public Domain,
『この人を見よ』アントニオチセリ
カントナーレダルテ美術館 1860-1880年頃

十字架への道 権威とは

ヨハネの福音書 19章 8〜11節

ピラトは、このことばを聞くと、ますます恐れを覚えた。
そして、再び総督官邸に入り、イエスに「あなたはどこから来たのか」と言った。しかし、イエスは何もお答えにならなかった。
そこで、ピラトはイエスに言った。「私に話さないのか。私にはあなたを釈放する権威があり、十字架につける権威もあることを、知らないのか。」
イエスは答えられた。「上から与えられていなければ、あなたにはわたしに対して何の権威もありません。ですから、わたしをあなたに引き渡した者に、もっと大きな罪があるのです。」


By James Tissot – Online Collection of Brooklyn Museum; Public Domain,
『ピラトの前のイエス』ジェームス・ティソJames Tissot
ブルックリン美術館(ニューヨーク)1886-1894年

十字架への道 ピラトイエスを引き渡す

ヨハネの福音書 19章 12〜16節

ピラトはイエスを釈放しようと努力したが、ユダヤ人たちは激しく叫んだ。「この人を釈放するのなら、あなたはカエサルの友ではありません。自分を王とする者はみな、カエサルに背いています。」
ピラトは、これらのことばを聞いて、イエスを外に連れ出し、敷石、ヘブル語でガバタと呼ばれる場所で、裁判の席に着いた。
その日は過越の備え日で、時はおよそ第六の時であった。ピラトはユダヤ人たちに言った。「見よ、おまえたちの王だ。」
彼らは叫んだ。「除け、除け、十字架につけろ。」ピラトは言った。「おまえたちの王を私が十字架につけるのか。」祭司長たちは答えた。「カエサルのほかには、私たちに王はありません。」
ピラトは、イエスを十字架につけるため彼らに引き渡した。彼らはイエスを引き取った


By Ludovico Mazzolino – Web Gallery of Art:   Image  Info about artwork, Public Domain,
『ピラトの前のキリスト』ルドビコマゾリーノLudovico Mazzolino
ブタペスト美術館 1525年頃

十字架への道 ユダの後悔と死

マタイの福音書 27章 3〜8節

そのころ、イエスを売ったユダはイエスが死刑に定められたのを知って後悔し、銀貨三十枚を祭司長たちと長老たちに返して、言った。「私は無実の人の血を売って罪を犯しました。」しかし、彼らは言った。「われわれの知ったことか。自分で始末することだ。」
そこで、彼は銀貨を神殿に投げ込んで立ち去った。そして出て行って首をつった。
祭司長たちは銀貨を取って、言った。「これは血の代価だから、神殿の金庫に入れることは許されない。」そこで彼らは相談し、その金で陶器師の畑を買って、異国人のための墓地にした。
このため、その畑は今日まで血の畑と呼ばれている。


By José Ferraz de Almeida Júnior – Museu Nacional de Belas Artes: page; file, Public Domain,
『ユダの悔恨』ホセフェラスデアルメイダジュニオール
国立美術館(ブラジル)1880年

※聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。