サマリアの女とイエスの出会い
サマリアを通ってガリラヤへ
ガリラヤへの2つのルート
ピンク色のルート②の道を使い、サマリアを避けて迂回するのが一般的でした。
しかし、イエスにはそのような制約に捕われませんでした。
実際的に旅程の短いサマリアを通って、ガリラヤに向かうというルート①の道を
用いられたのです。聖書から詳しく見ていきましょう。
サマリアの女、水を汲みに
ヨハネの福音書4章5節―8節
イエスは、ヤコブがその子ヨセフに与えた地所に近い、スカルというサマリアの町に来られた。
そこにはヤコブの井戸があった。
イエスは旅の疲れから、その井戸の傍らに、ただ座っておられた。時はおよそ第六の時であった。
一人のサマリアの女が、水を汲みに来た。イエスは彼女に、
水を求めるイエス
神様の一人子として地上に来られたイエスでしたが、肉体を持って地上を生きられたので、人と同じようにのどが渇いたんですよ。
第六の時という時間帯は、ローマ式では午前0時か午後0時を現し、ほぼ誰も来ない時間帯です。
女性は恐らく、人目を避けてあえてこの時間帯に水を汲みに来たと思われます。
パオロ・ベロネーゼの作品
キリストとサマリアの女
パオロ・ベロネーゼ
美術史美術館(ウィーン)
1585年
Veronese.Jesus_and_the_Samaritan_Woman
サマリアの女の反応
ヨハネの福音書4章9節
そのサマリアの女は言った。
更に女性に男性から話しかけることもなかったのですが、イエスはこの女性に話しかけます。女性は驚き、イエスに答えます。
グエルチーノの作品
イエスとサマリアの女
グエルチーノ
ティッセン・ボルネミッサ美術館
(スペイン)
1640年から1641年
Guercino_-_Jesus_and_the_Samaritan_Woman_at_the_Well
生ける水をどこから得るのか
ヨハネの福音書4章10節―12節
イエスは答えられた。
ヤコブは私たちにこの井戸を下さって、彼自身も、その子たちも家畜も、この井戸から飲みました。
聖書の中の水
鹿が谷川の流れを慕いあえぐように神よ私のたましいはあなたを慕いあえぎます。
私のたましいは神を生ける神を求めて渇いています。
いつになれば私は行って神の御前に出られるのでしょうか。
ロレンツォ・リッピの作品
キリストとサマリアの女
ロレンツォ・リッピ
美術史美術館(ウィーン)
1644年
Lorenzo_Lippi
渇くことのない水
ヨハネの福音書4章13節―15節
イエスは答えられた。
渇かない水
カラッチの作品
サマリアの女
カラッチ
ブレラ美術館
1593年-1594年の間
Annibale_Carracci_-_The_Samaritan_Woman_at_the_Well_
サマリアの女の渇き
ヨハネの福音書4章16節―18節
イエスは彼女に言われた。
あなたには夫が五人いましたが、今一緒にいるのは夫ではないのですから。あなたは本当のことを言いました。
イエスは彼女に今まで夫が5人いた事、何かしらの理由(死別・離婚)で別れることになり、今一緒にいる男性とは結婚していないことを言い当てます。
また、このような出来事の中で沢山の痛みを通ったことも、霊的にどれだけ渇いているかという事についてもご存じであることが、語り方、表情から伝わったことでしょう。。。
ヘロニモジャ・シント・デエスピノサの作品
イエスとサマリアの女
ヘロニモジャ・シント・デエスピノサ
17世紀
Cristo_y_la_samaritana.
サマリアの女の心の動き
ヨハネの福音書4章19節―26節
彼女は言った。
私たちの先祖はこの山で礼拝しましたが、
あなたがたは、礼拝すべき場所はエルサレムにあると言っています。
この山でもなく、エルサレムでもないところで、あなたがたが父を礼拝する時が来ます。
救いはユダヤ人から出るのですから、わたしたちは知って礼拝していますが、あなたがたは知らないで礼拝しています。
しかし、まことの礼拝者たちが、御霊と真理によって父を礼拝する時が来ます。今がその時です。父はそのような人たちを、ご自分を礼拝する者として求めておられるのです。
神は霊ですから、神を礼拝する人は、御霊と真理によって礼拝しなければなりません。
ユダヤ人とサマリア人
そのように場所に捕われることなく、神様を御霊と真理によって真に礼拝する時が来ることを語られます。また、ご自身がキリストであることを伝えられます。
コルネリス・ド・ボスの作品
キリストとサマリアの女
コルネリス・ド・ボス
ゲント美術館(オランダ)
1630年頃-1635年頃
Cornelis_de_Vos_-_Christ_and_the_Samaritan_woman.
驚く弟子たち
ヨハネの福音書4章27節
そのとき、弟子たちが戻って来て、イエスが女の人と話しておられるのを見て驚いた。
だが、「何をお求めですか」「なぜ彼女と話しておられるのですか」と言う人はだれもいなかった。
ドゥッチョの作品
キリストとサマリアの女
ドゥッチョ
ティッセン・ボルネミッサ国立博物館
(スペイン)
1310年-1311年
Duccio_di_Buoninsegna_-_Christ_and_the_Samaritan_Woman_
サマリアの女の変化
ヨハネの福音書4章28節-30節
彼女は、自分の水がめを置いたまま町へ行き、人々に言った。
人々にキリストと出会ったことについて伝えます。
それほどの強い感動があったのですね。
ジェームズ・ティソの作品
井戸のサマリアの女
ジェームズ・ティソ
ブルックリン美術館
1886年-1894年の間
The_Woman_of_Samaria_at_the_Well__James_Tissot_
生ける水を得て
ヨハネの福音書4章39節
さて、その町の多くのサマリア人が、
「生ける水」に例えられている聖霊は、「慰め主」「癒し主」「助け主」です。
彼女の本当の渇望を満たし、生かす力と源となり、本当の彼女に帰ることが出来たのでしょう。
生ける水は、彼女を通って人々にも流れていったのです。
S_Buckinghamのステンドグラス
セント・スティーブンス・バッキンガムのステンドグラス
S_Buckingham_Glass_
サマリアの女についての動画
Samaritan Woman | The Life of Jesus
出典:Wikimedia Commons
※聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。
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