ニコデモとイエスの対話、そして埋葬に立ち会うまでー聖書と絵画ー

ニコデモについて

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ガブリエル
ニコデモはユダヤ人の指導者であり、最高議会の
議員でした。イエスの奇跡を目の当たりにして、
真理を求める心からイエスに会いに行きます。
そして、その教えと人柄に触れて、徐々に認識が
変えられていきました。
その変化の過程を、聖書個所と名画から見ていき
ましょう。

ニコデモ、イエスを訪問する

ヨハネの福音書3章1-2節

さて、パリサイ人の一人で、ニコデモと
いう名の人がいた。ユダヤ人の議員であった。
この人が、夜、イエスのもとに来て言った。

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ニコデモ
先生。私たちは、あなたが神のもとから来られた
教師であることを知っています。神がともに
おられなければ、あなたがなさっているこのよう
なしるしは、だれも行うことができません
。。。。。。。。。。。。。。。。

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ヒカリ
ニコデモさんは、どうして夜にイエス様のところに来たんだろう。。。
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ガブリエル
ヒカリちゃんいい質問だね。
ニコデモはパリサイ人という当時のエリートで、
更にその中の指導者でした。年齢も重ね、経験や
知識も豊富だったと思われます。
イエスが何か素晴らしいことを知っておられると
感じつつも、同僚のパリサイ人たちには歓迎され
ていなかったため、人目を恐れて、夜に訪問した
ようです。
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ヒカリ
ニコデモさんは、とても謙遜な人だったんだね。

Crijn Hendricksz の作品

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ニコデモと語るキリスト
Crijn Hendricksz Volmarijn
1616年-1645年頃
Crijn_Hendricksz.jpeg

ウィリアム・ブラッシー・ホールの作品

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イエスとニコデモ
ウィリアム・ブラッシー・ホール
(1846–1917)
William_Brassey_Hole_Nicodemus.jpg

ニコデモ、イエスの教えに耳を傾ける

ヨハネの福音書3章3-8節

イエスは答えられた。

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イエス
まことに、まことに、あなたに言います。
人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません。
ニコデモはイエスに言った。
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ニコデモ
人は、老いていながら、どうやって生まれることができますか。
もう一度、母の胎に入って生まれることなどできるでしょうか。
イエスは答えられた。
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まことに、まことに、あなたに言います。
人は、水と御霊によって生まれなければ、
神の国に入ることはできません。

肉によって生まれた者は肉です。
御霊によって生まれた者は霊です。

あなたがたは新しく生まれなければならない、
とわたしが言ったことを不思議に思ってはなりません。

風は思いのままに吹きます。その音を聞いても、
それがどこから来てどこへ行くのか分かりません。

御霊によって生まれた者もみな、それと同じです。

フリッツ・フォン・ウーデの作品

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キリストとニコデモ
フリッツ・フォン・ウーデ
1896年頃
Fritz_von_Uhde_-_Christus_und_Nikodemus

イエス、永遠のいのちについて語る

ヨハネの福音書3章9-21節

ニコデモは答えた。

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ニコデモ
どうして、そのようなことがあり得るでしょうか。
。。。。。。。。。。。。。。。。
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ガブリエル
このニコデモの問いにイエスは、聖書の中心的なメッセージをまとめて語られます。
それは、イエスが十字架に架かられ、復活し、
天に昇られた後に本当に理解できる内容です。

旧約聖書に精通しているニコデモは、これらの事
を経験しながらイエスが救い主であることを確信
していったことでしょう。

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だれも天に上った者はいません。
しかし、天から下って来た者、人の子は別です。

モーセが荒野で蛇を上げたように、
人の子も上げられなければなりません。

それは、信じる者がみな、
人の子にあって永遠のいのちを持つためです。

神は、実に、そのひとり子を
お与えになったほどに世を愛された。
それは御子を信じる者が、
一人として滅びることなく、
永遠のいのちを持つためである。

神が御子を世に遣わされたのは、
世をさばくためではなく、
御子によって世が救われるためである。
御子を信じる者はさばかれない。

ヘンリー・オッサワ・タナーの作品

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イエスとニコデモ
ヘンリー・オッサワ・タナー
ペンシルバニア美術アカデミー
1899年
Henry_Ossawa_Tanner_-_Jesus_and_nicodemus.jpg

イエスと群衆

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ガブリエル
次にニコデモが聖書に登場するのはヨハネの福音書の7章です。
群衆の中に「この方はキリストだ」という人々と
そう思わない人々との間に分裂が生じます。

ヨハネの福音書7章31-32節

群衆のうちにはイエスを信じる人が多くいて、

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群衆
キリストが来られるとき、この方がなさった
よりも多くのしるしを行うだろうか
と言い合った。
パリサイ人たちは、群衆がイエスについて、
このようなことを小声で話しているのを耳にした。
それで祭司長たちとパリサイ人たちは、イエスを
捕らえようとして下役たちを遣わした。

パリサイ人たちの反応

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ガブリエル
パリサイ人はイエスを捕らえるために
人を送りますがまだ神様の時が来ていなかったので
捕らえることが出来ずに帰ってきます。

ヨハネの福音書7章44-49節

彼らの中にはイエスを捕らえたいと思う人たちも
いたが、だれもイエスに手をかける者はいなかった。
さて、祭司長たちとパリサイ人たちは、下役たち
が自分たちのところに戻って来たとき、彼らに言った。

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パリサイ人
なぜあの人を連れて来なかったのか。
下役たちは答えた。
「これまで、あの人のように話した人はいませんでした。」
そこで、パリサイ人たちは答えた。
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パリサイ人
おまえたちまで惑わされているのか。
議員やパリサイ人の中で、だれかイエスを信じ
者がいたか。それにしても、律法を知らない
この群衆はのろわれている。

ニコデモの反応

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ガブリエル
このようなパリサイ人たちのイエスへの反応の中でニコデモは次のように語ります。

ヨハネの福音書7章50-53節

彼らのうちの一人で、イエスのもとに来たことの
あるニコデモが彼らに言った。

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ニコデモ
私たちの律法は、まず本人から話を聞き、
その人が何をしているのかを知ったうえで
なければ、さばくことをしないのではないか。
彼らはニコデモに答えて言った。
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パリサイ人
あなたもガリラヤの出なのか。
よく調べなさい。ガリラヤから預言者は起こら
ないことが分かるだろう。
人々はそれぞれ家に帰って行った。

。。。。。。。。。。。。。。。。

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ガブリエル
最初は、夜にこっそりイエス様を訪ねたニコデモ
でしたが、ここではイエス様を同僚たちの
前で弁護していることから、心の変化が伺われます。

ニコデモイエスの埋葬に立ち会う

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ガブリエル
イエスが十字架に架かられた後、アリマタヤのヨセフとニコデモは埋葬に立ち会います。

ヨハネの福音書19章38-40節

その後で、イエスの弟子であったが、ユダヤ人を恐れてそれを隠していたアリマタヤのヨセフが、イエスのからだを取り降ろすことをピラトに願い出た。ピラトは許可を与えた。そこで彼はやって来て、イエスのからだを取り降ろした。
以前、夜イエスのところに来たニコデモも、没薬と沈香を混ぜ合わせたものを、百リトラほど持ってやって来た。
彼らはイエスのからだを取り、ユダヤ人の埋葬の習慣にしたがって、香料と一緒に亜麻布で巻いた。

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ガブリエル
ニコデモとアリマタヤのヨセフは社会的に立場が
あるため、イエスを大切に思っていることを周り
に知られることを恐れていましたが、イエスが
十字架に架かられた後にはハッキリとした態度を
取ります。
恐らく一連の出来事を目の当たりにし、旧約聖書
に預言されている、救い主であることを確信したのでしょう。

ティツィアーノの作品

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キリストの埋葬
ティツィアーノ
プラド美術館
1559年
Entierro_de_Cristo-iziano

シーマ・ダ・コルネリアーノの作品

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ニコデモと使徒ヨハネはマリアと共に
シーマ・ダ・コルネリアーノ
アカデミア美術館(ヴェネツィア)
14901年頃
Nicodemo_e_san_Giovanni_Evangelista_con_le_Marie_-_Cima_da_Conegliano.jpg

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ガブリエル
2点の作品の中で、アリマタヤのヨセフは黄色い上着を身に着けイエスの遺体を支える形で描かれています。

キリストの埋葬についての作品は、下記のページより詳しくご覧になれます。

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ニコデモとイエスの対話

Talk with Nicodemus | The Life of Jesus

ニコデモとイエスの対話 まとめ

  1. ニコデモはパリサイ人という当時のエリートで、更にその中の指導者でしたがとても謙遜な人でした。
  2. ある夜ニコデモは、真理を求める心からイエスのもとを訪ねました。
  3. イエスは旧約聖書に精通しているニコデモに、わかりやすいようにわかりやすいように福音を語られます。
  4. ニコデモは、同僚のパリサイ人の中でイエスを弁護する発言をしています。
  5. イエスの十字架の後、救い主と確信し人目を恐れず埋葬に積極的に関わります。

画像出典:Wikimedia Commons
※聖書箇所はすべて新改訳2017を使用しています。